機動警察パトレイバー 2 the Movie(押井守)

tema家は、連れ合いが拒否するためアニメは禁止である。しかし、以前見せた「人狼」が高評価だったのでDVDを借りてきた。「人狼」と絵柄が似ていたせいか、どうやら許容範囲内だったらしい。ただし、かなりギリギリだった様子。きっと「パトレイバー1」は許容範囲外であろう。


tema的には、押井守の最高傑作。シナリオにも演出にも欠点が見あたらない、っていうか、多分あばたもえくぼ。唯一の問題はロボットを出す必然性が無い事であるが、こればっかりはどうしようもない。


押井守の作品において、登場人物の感情は比熱が高い。怒りは持続し、愛はいつまでも人を縛る。激情は胸の奥に秘められ、なかなか面には出さない。
現実の人とは、そのようなものだと思う。たとえ子供であっても、いつまでも残る感情や胸の奥に秘めた情動は有るはずだ。
だからこそ、柘植の「ゴングより各機へ、時間だ」というセリフにカタルシスを覚え、柘植を撃てなかった南雲に共感する。そして「二課は壊滅したよ、多分」というお気楽な後藤の口調に、彼の激情を感じ取るのだ。


もし、人が長期記憶を持たなかったとしたら、感情は長続きしないのだろうか? 
それとも、理由も判らずに高ぶった感情を持つだけなのだろうか?

機動警察パトレイバー2 the Movie [DVD]