恋愛相談

実は、tema家ではあまり夫婦の会話が無い。
どちらもおしゃべりな方で無い、ということが理由の一つではあるが真の原因では無い。
真の原因はtema側に有る。まぁtema妻側に有る、とも言えるのだが。
 
tema妻の興味とtemaの興味、二人の興味の方向はまるで違う。
temaの話したい事は、tema妻にとって「話されると苦痛」な事らしい。
tema妻が話したいことは、temaに「話すと苦痛」なことらしい。temaが苦しむのでは無い。temaに話すことによりtema妻が苦しむのだ。
 
temaの興味は科学・技術系に集まっている。また、好きな本はS.F.や推理小説である。
これらのものには、「ロジック」という共通点がある。temaはロジックが好きなのだ。
一方、tema妻はロジックを嫌う。ロジカルな話をされると、自分の中に歯車を埋め込まれ、機械にされるように感じるらしい。
 
tema妻の興味は美やフィーリングなど、ロジックとは無縁な世界である*1
temaはtema妻の話を聞くと、世界の知らない側面に触れることが出来て楽しい。しかしtema妻にとっては、自分の大切な世界がロジカルに分析されてしまう、汚されてしまう、と感じるらしい。
 
結婚すれば、それまで別々に暮らしていた2人が一緒に暮らすことになる。当然、2人の常識は違うため、カルチャーショックを受けまくることになる。
結婚したことがある人は、きっと同意してくれることと思う。
未婚の人は「ダーリンは外国人」を読んでみて欲しい。ちなみに、あんな差異など可愛いものだ。
問題は、そのカルチャーショックを楽しめるか否か、ということにある。
temaは楽しめるが、tema妻は楽しめない。というより、tema妻が楽しめるようなショックを、temaは与えることができない。それが、とても残念だ。
 
夫婦であるということは、こういうことなのだろうか?
それともいつかは、通じ合えるようになるのだろうか?
もし、通じ合えないのであれば、tema妻は不幸だ。
でも、通じ合えたとしても、それはロジックを(幾分かでも)tema妻が受け入れたという事であり、現在のtema妻の視点からすれば不幸だ。
 
時折temaは、自分自身を、羽衣を隠した男のように感じる時があるのだ。
 

*1:美学などは相当にロジカルな筈だが、tema妻の興味は美学には無い