反証可能性に関する詭弁

 
反証可能性が無い仮説は科学的では無い(自然科学では扱えない)、ということは、多くの人が認めてくれることと思う。

さて、数学上の仮説に「連続体仮説」というものがある。簡単(乱暴)に言ってしまうと、こんな仮説。

 自然数と実数を比べると、実数の方が規模が大きい
 自然数より規模が大きく実数より規模が小さいグループは存在しない

この仮説、「正誤を証明できない」ということが証明されている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A3%E7%B6%9A%E4%BD%93%E4%BB%AE%E8%AA%AC

つまり、この仮説は反証不可能であり、科学的仮説ではない。一方、数学ではこの仮説を扱っている。結果、数学は自然科学では無い、ということになる。
もちろん、その数学を使用している物理学、化学、その他諸々、すべて自然科学では無いことになる。
すると、この世の学問に自然科学など無いことになってしまう。
 
ゆえに、「反証可能性が無い仮説は科学的では無い」という前提は誤りである。

(追記 6/18)
上記に仕掛けた詭弁は、wadjaさんに見抜かれてしまいました。ただし、ちょっと反則的な詭弁が残ってますので、記述しておきます。
 
実は、「連続体仮説は反証不可能」とは言えない。
Wikipediaに記載があるが、上記仮説は「正しくとも誤っていても矛盾が発生しない」ということが証明されているだけである。
意訳すれば「演繹的には正誤の証明ができない」と言ってるにすぎない。
 
もし誰かが「自然数より規模が大きく実数より規模が小さいグループ」を発見した場合には、連続体仮説は反証される。このため、連続体仮説は、反証可能性を持っている。
 
(追記 8/6)
NANさんのコメントをtema的に記述すると、以下の突っ込みになります。

「反証」は仮説の確からしさを高める道具である。
その点、数学は(公理を除いて)全て演繹で出来ているため、充分に確かであり「反証可能性」など不要と考えられる。論理的に。