SPACE BATTLESHIP ヤマト

 
久しぶりに映画を観た。
ツッ込み処満載であった。
しかし、ツッ込み処を無理矢理コジ付けるのも、S.F.者の楽しみである。
以下はSPACE BATTLESHIP ヤマトに対し、temaが妄想を膨らませたバックストーリィである。
 

以下、ネタバレ注意!

知的生命体を育む惑星には、魂の根源となる「場」が存在する。
否、魂の根源となる場の中でのみ、自我を持つ知的生命体が生まれるのだ。
 
精神寄生体であるデスラーにとっても、場は増殖−自己進化−のために必要である。ガミラス星系が滅びようとしている今、デスラーは魂の根源を持つ惑星を探していた。
大マゼラン星雲内に止まらず、小マゼラン星雲、銀河系にも探索の手を伸ばした。
やがて、銀河系内に目的の惑星が発見された。
時に西暦2194年。長い探索の末、デスラーは次なる安住の地を発見した。
 
その昔、ガミラス星には知的生命体であるガミラス人が存在した。
ガミラス文明の絶頂期に、あるガミラス星人が魂の根源に関する理論を発見した。その理論の応用として、文化的遺伝子(ミーム)群を実体化することに成功する。
実体化されたミーム群は、デスラーと名づけられた。
ガミラス星は、放射性物質「ガミラシウム」に富むため、デスラー放射線をエネルギィ源とするよう創られた。
 
デスラーが創られて幾許か後、ガミラス人は絶滅した。だが、デスラーは生き延びていた。
それから永劫と思える時が過ぎ、ガミラス星系の恒星が超新星爆発の兆候を示した。デスラーは次なる安住の地を探索し、地球を発見した。
地球を発見後、デスラーは惑星改造に着手した。地球をエネルギィ源である放射線で満たすべく、濃縮したガミラシウムを投下したのである。
 
惑星改造中に地球から調査隊が訪れ、その個体に寄生した際、デスラー内に新たなミーム群が生まれた。
その新たなミーム群は、地球人の文化に影響された破滅的なものであった。
 
デスラー放射線を吸収し増殖するが、増殖を抑止するミームも内包している。このため、放射性物質が枯渇しない範囲で増殖する。
しかし、スターシアと名づけられた新たなミーム群には、増殖を抑制するミームが欠けていた。結果、放射性物質が完全に枯渇するまでスターシアは指数関数的に増殖する。
 
ガミラス星の半分を侵されたデスラーは、スターシアを分離・隔離した。
スターシアに侵され、放射性物質が枯渇したガミラス星の半面は、冷たく蒼い色を帯びるようになった。
 
隔離された範囲の放射性物質が枯渇すると、スターシアは休眠状態となった。デスラーが地球に移住した後、超新星爆発と共にスターシアは滅ぶ運命であった。
だが、スターシアは休眠前に、自己の一部を地球へ投下する濃縮ガミラシウムへ混入することに成功する。その一部は、デスラーに気づかれぬよう移動能力を奪われていた。
 
地球に落下後、スターシアの一部は放射線を浴びて活性化し、波動エンジンの概念図とスターシアが隔離された座標を地球人に渡す。
その座標に辿り着く地球人が、若干のガミラシウムを持ち込み、一時的にスターシアは活性化するだろう。スターシアはその地球人に寄生して地球へ行く。
地球に投下されたガミラシウムを使って、スターシアは更に増殖することができるだろう。
 
事はスターシアの思惑通りに進んだ。
デスラーが地球に落とそうとした莫大なガミラシウムを失ったのは残念だったが、投下されたガミラシウムを使いスターシアは増殖した。
 
西暦2205年、地球上の放射性物質を枯渇させ、スターシアは再び休眠状態となった。
しかし、いずれ地球人が全面核戦争で滅びた後、スターシアは蘇る。
 

SPACE BATTLESHIP ヤマト (小学館文庫)

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