大東亜戦争について


数年前までの日本は、「大東亜戦争に於いて、東アジア各国に対し日本は悪いことをした」という主張が目立っていた。しかし、最近は違う主張が目立つ。上記と異なる主張をする人は、何が言いたいのだろうか?
 
最初の区分は、以下の通り。
 1.日本は悪いことはしていない
 2.日本は悪いことをした
 
1.の主張には、以下のようなものがあった。
当時は多くの西洋諸国が植民地支配を行っていた。同じ事を日本もやったのだ。むしろ西洋諸国に比べ、日本の支配の方が良かった。
上記は史実なのかも知れない。ただ、レイプした女性に向かって「奴らならS.M.までした」と言うようなものである。
他の国に比べて良かろうが、植民地として支配された人々からは、恨まれて当然だろう。
 
2.の主張は、以下に区分される。
2−1.悪いことはしたが、××はやっていない
従軍慰安婦の強制連行はしていない、との主張が多い。命令書などは発見されていない、との主張である。というより、「従軍慰安婦」という言葉は存在せず、使うのは不適切だと文科大臣が言われるので、「日本軍向け娼婦(以下「娼婦」と略)」と書くべきか。
そんな命令書、書くヤツが居るか?
口頭で「兵士の不満を解消させるように」とでも言えば、後は部下が「良きに計らう」のが日本文化だろう。
仮に、良きに計らった部下が1人も居なかったとしよう。
それでも、日本軍の後を付いていった娼婦達は居た。もし日本軍が来なければ、娼婦の需要は少なかっただろう。それだけ、騙されて連れて来られる女性は、少なかっただろう。
夫を徴用され、乳飲み子を抱えた女性が仕方なく娼婦になった、このようなことは無かった、と言うのだろうか?
このような状況で、「娼婦の強制連行はしていない」とtemaは主張しない。こそこそと目を伏せるだけである。
 
2−2.悪いことはしたが、良いこともした
鉄道などのインフラ設備を造った、という主張が目に付く。女を無理矢理囲った金持ちが、「高額なマンションを与えてやった」と言うようなものだろう。それは自慢できることなのか?
 
2−3.すでにけりが付いた問題である
賠償問題は、日韓基本条約等で解決済みであるらしい。示談金を払ったレイプ犯のようなものだろう。
「あの件なら、もう金を払っただろう。もうあのことは忘れて仲良くしようぜ」とレイプ犯に言われて、仲良くする女性が居ると思ってるのか?
 
2−4.死んだら皆、神である
A級戦犯を合祀した靖国神社に首相が詣でることを、正当化しようとする言葉である。「日本の文化なのだから、どうこう言うな」との事である。
では、「あらゆる犯罪は3日逃げ切れば全て免罪」という文化を持つ国があったら、どうする? その国に逃げ込んだ犯罪者は、3日経てば無罪である。引き渡しは要求できない。
その犯罪者が、(別件により)その国で英雄として讃えられても、同意できるのか?
 
2−5.A級戦犯は日本では犯罪者では無い
死んだから、ではなく、東京裁判を問題視する場合の主張である。
では、大東亜戦争で、東アジアの国々に迷惑をかけた責任者は誰なのか?
「国民全員だ」と言うなら、国民全員が恨まれても当然だろう。
昭和天皇だ」と言うのだろうか?
「誰の責任でも無い。仕方なかったのだ」と言うなら、それは「日本は悪くない」と言っているようなものだ。
 
大東亜戦争において、日本の取った行動は「今の常識から考えて」誉められたものでは無い。確かに、「当時としては仕方なかった」という部分もあるかも知れない。でも、それはボソボソと下を向いて言う言葉だ。
なぜ、声高に主張できるのだろうか?
恥が無いのか? そうではあるまい。自分自身がレイプ、いや痴漢行為をした場合でも、それを恥と感じ人に知られたく無いと思うはずである。
 
想像力が無いかも知れない。「創造力」では無い「想像力」である。
人の視点で物事を見られないのかも知れない。つまり、多面的な物事の捉え方が、できないのかも知れない。
それとも、想像したくない、人の視点で物事を見たくない、そのような事をしてはいけない。
そのように思っているのかも知れない。