忘却力

 
「ねぇねぇ、これ知ってる?」tema妻が話しかけてきた。
手に持っているのは、1冊の少女マンガ。
tema家にある本の95%はtemaのものである。だが、残りの5%についても題名くらいは把握している。
「この本、初めて見たよ」
ちょっと待て。それはtemaが買った本ではないぞ。
「えぇ〜? あ、もしかして、ちゃっぴー*1が…」
ちゃっぴーは男の子だから、少女マンガは買わんと思うぞ。
「でも私、この本読んだこと無いよ」
いーや読んでる、読んでますとも。その上、temaに紹介してたじゃないか。
「えー 全然記憶に無い」
 
なんという忘却力であろうか。しかし、この忘却力のおかげで、同じ本を何度も楽しめるのである。ちょっと羨ましいぞ。
でも、tema妻が忘却するという事は、それがtema妻にとって重要ではない、ということを意味する。本を重要なものと感じられないtema妻は、ちょっと可愛そうである。
 
 

*1:プロフィールの所に写ってるtema妻作成のぬいぐるみ