皇室典範勉強会
「たまごどんが行く!」で、皇室典範勉強会とY染色体の事が話題になっていた。
その中で、Y染色体の交叉について記述があった。
専門家はどう見ているのか。同志社大ITEC(技術・企業・国際競争力研究センター)の蔵琢也研究員(進化生物学)によると、女子のXX型は遺伝子が混じり合うため、世代ごとに祖先の遺伝子が薄まっていくが、男子のXY型はY染色体が親から子へと完全な形で伝わる。
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051130-00000004-san-pol)
Y染色体は交叉しない、というのは知らなかった。web検索してみたが、本当っぽい。
ならば現在の皇族男性は、神武天皇とほぼ同じY染色体を持っている事になる。そして、このことを『「男系」による皇位継承』の根拠にしようとしてるらしい。
悪いことは言わん。今の内に止めておいた方が良い。
そもそも、『「男系」による皇位継承』は伝統である。伝統を守るために科学を引っ張り出すのは、信仰に科学を引っ張り出すのと同じく、お門違いである。
一部のキリスト教徒は、信仰に科学を引っ張り出した結果、聖書の記述が現代科学と沿わなくなり、「創造科学」などという面妖なモノを創り出さなければならなくなっている。
信仰と科学では、扱う世界が異なる。同様に伝統と科学も、扱う世界が異なる。
もし皇位の拠り所を、科学にY染色体に求めた場合、問題が発生する*1。
科学から見れば、Y染色体は一種のデジタル情報である。このデジタル情報の、親から子への情報伝達は(交叉しなかったとしても)完璧では無い。突然変異により、情報は変わっていく。
このため、神武天皇のY染色体と現天皇のY染色体は、異なっている可能性がある。「×%異なる」という異なり具合は、神武天皇直系の男性ならば同等と考えられる。
そして、神武天皇直系の複数男性のY染色体を解析すれば、神武天皇本人のY染色体*2を再現することが可能である。
再現された神武天皇のY染色体、それと同一のY染色体を持つ男性が、偶然、皇族以外に居たら、どうする。
そのような偶然が起こる可能性は低い。しかし、遺伝子を操作すれば「偶然」では無く「必然」的に、神武天皇と同じY染色体を持つ男性を造ることが(原理的には)できる。
皇位の拠り所を、科学にY染色体に求めるならば、その男性が皇位を継ぐべきである。
ちなみに、瞳・髪・肌の色は、Y染色体では決定されない。科学的には、黒い肌をした天皇を創造することだって可能だ。
伝統を守りたいなら、科学などでは無く伝統で行うのが良い。幸いにして日本には色々な伝統がある。
武士は食わねど高楊枝だが、公家は「据え膳食わぬは男の恥」である。その他にも夜伽とか、酒の上のフラチとか、「よいではないか、よいではないか」「あーれーお戯れを」とか...
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