数学は自然科学か人文科学か?

掲示板で、ちょっとだけ話題になったネタである。確かに数学をどちらに入れるかは、悩むところである。こんなジョークがある。

 「哲学は、実は心理学である」
 「心理学は、実は脳生理学である」
 「脳生理学は、実は生物学である」
 「生物学は、実は化学である」
 「化学は、実は物理学である」
 「物理学は、実は数学である」
 このとおり、数学は総ての学問を統べる女王様である。
 ただし、とても小さな声で
 「数学は、実は哲学である」

数学は、あまりに人工的過ぎるのかも知れない。自然科学は現実世界を理解するための道具であり、人文科学は社会など人工的な世界を理解するための道具である。このため、「数学は実は人文科学である」と言えるのかも知れない。
 
しかし、temaは「数学は自然科学である」と言いたい。
 
リンゴが1個有った際、別の場所からもう1個持ってきたら、リンゴは2個となる。これは「この宇宙」の性質である。もし、もう1個持ってきてもリンゴが1個のままであれば、数学は現在の姿と違った姿になっていたのである。
この宇宙でこそπは定数であるが、別の宇宙では半径により変動するかも知れない。
 
数学は、この宇宙の性質を調べるための学問なのだ。ユークリッド幾何学は、人が認識できる空間の近似である。解析学は、この宇宙の力学を表わすために創られた。この意味で数学は、現実世界を理解するための道具であり、自然科学である。

数学は科学の女王にして奴隷 1 《数理を愉しむ》シリーズ (ハヤカワ文庫 NF)

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