もてない男(小谷野 敦)

 
たんぽぽさんによると、作者は「自分しか愛せない男」のタイプらしい。
たんぽぽさんが示してくれたリンク先も読んでみた。
困った。
 
temaはこの本に賛同…とはちょっと違うが、少なくともリンク先の人々の意見には同意できない。
リンク先の人々は誤解しており、作者の心はリンク先の人々の心とは異なっているが、劣ってはいないと思っている。
 
リンク先の意見から、気になるものを抜き出す。

・ 自分自身と向き合う事を避けてきた
・ 自分の殻から出ようとしていない
・ 好きなのは自分自身だけ
・ 相手を本当に好きなら、他人には分かる

これらの言葉は、temaも何度か言われた覚えがある。
ただ、その言葉は受け取れていない。言葉の意味が分からないのだ。
 

自分自身と向き合う事を避けてきた

例えば、こういう意味だと想像している。
「私は彼が臆病だと思っている。なのに彼は自分が臆病だと思っていない。
彼がそう思わないのは、自分自身と向き合って無いからである」
 
もしそういう意味なら、彼が臆病か否かを彼自身より正しく判断できるという事になる。
 

自分の殻から出ようとしていない

自分の殻、とは何なのか?
多分、行動では無く考え方だと思う。
自分の考え方を変えない、という事を「殻から出ようとしない」という風に表現してるのだろう。
 
ならば、「その考え方は間違っている。理由はこうである」と言えば良い。
納得できる理由を提示できれば、考え方は変えるかも知れない。しかし、「私と考え方が違う」というだけでは理由として不足である。
 

好きなのは自分自身だけ

本人の意識とは無関係である。これは、人の心をその本人より知ってなければ、言えない。
本人も気づかない真の心があり、それをを知る能力。
その能力を持ってることを、どうやって確かめたのだろう?
 

相手を本当に好きなら、他人には分かる

これも、人の心をその本人より知っている、という事になる。
更に、「伝わって来ないなら、本当に好きでは無い」という事は、「本当に好きなら、例外無く必ず分かる」という事になる。
もう少し踏み込むと、「伝わってきた以上、貴方は私が本当に好きだ」という事になるが、本当は好きじゃなくとも伝わる可能性があるため、それは言えない。
 
とまれ、「例外無く必ず分かる」というのは、凄い自信である。
 
上記の発言の根底には以下の2点の認識がある、と考える。
 ・ 貴方の心を私は読める
 ・ 貴方の心に対する認識は、貴方が間違っており、私が正しい
これは、反証不可能である。
 
temaはこの文中で、漠然とした不理解の中、自分が理解した部分のみに解釈を集約している。確かにしている。でも、集約した解釈を提示し反論を貰うことで理解は進むのだと思う。

ただ、それには色々と問題がある。
中でも問題なのは、この長文を魅力有る文、読ませる文にするための方法が思いつかな…つまり、オチが見つからないという事である。
 

in my words~言葉にできない(CCCD)

in my words~言葉にできない(CCCD)