危険な出産

 
実家に行った際、産科崩壊の話になった。
最近聞きかじった知識を、母に披露する。
出産は安全だと思ってる人が多いけど、実は結構危険らしいんです。
「そんなの判ってるよ。アナタのせいでどれだけ大変だったか」
ヤブヘビであった。
 
temaは胎児の時、子宮内でくるくる回ってたらしい。
そう言えば、小学校の通信簿には「落ち着きが無い」と書いてあった。器械体操も得意であった。
へその緒が首に巻き付いてる可能性が高いと言われ、母は死産を覚悟したらしい。
 
母は当時の女性としては、かなり体が大きかった。現代の若者に比べても、まだ高めである。
一方、temaは成長が遅かった。
臨月になって母が診察を受けに行ったところ、医師曰く
「今日はどうされましたぁ?」
腹が目立たなかったらしい
 
temaは成長が遅いだけでなく、寝坊すけであった。
いくら待っても生まれる気配が無い。
予定日を1ヶ月過ぎた頃、「これ以上は胎盤が持たない」との判断により、薬を使って強制的に目覚めさせられたらしい。
 
出産の時も大変だった。少し前話題になった胎盤癒着である。
出産直後に大出血が発生し、危なかったらしい。
母曰く
「おかげで保険対象になって、後でお金が戻ってきたのよ」
親孝行なtemaであった。
「でも数日後、また大出血して大変だったのよ」
やはり親不孝なのかも知れない。
 
いずれにしても、もっと昔だったらtemaか母は死んでいたかも知れない。
現在であっても、死んでいたかも知れない。
クジ運が悪いtemaであるが、生まれた時代と親には恵まれていたのである。
 

医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か

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追記:2007.7.10
NATROMさんの所の「信仰と狂気〜吉村医院での幸せなお産」を読んだ。
 
問題の赤ちゃんは、出産予定日が11/9、誕生日が12/11である。
ちなみにtemaは、出産予定日が11/3、誕生日が12/1である。
偶然ではあるが、あまり他人事とは思えない。
 
temaは母と父を、自分の命をかけて結びつけてはおらず、「素晴らしい場所」にも連れて行かなかった。しかし後悔はしていない。
生後3日で死ぬ人生より、今の人生の方がtemaは好きなのである