ビルいっぱいの資料の山

 
年金問題で、以下の事が言われている。
 

  1. 名前無しの場合”00”を入れてたので、調査は数時間でできるはずだ
  2. 不備を指摘した協議資料が無いのは、業者側の責任だ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070920-00000125-mai-pol
 
temaの認識は違う。
調査は数時間では出来ない。協議資料を業者が持ってたら問題である。
 
1.”00”を入れてたので
 
確かに名前欄が”00”である件数を抽出することは簡単である。しかしその前に以下を証明しなくてはならない。

  • 名前無しの場合、必ず名前欄が”00”である
  • 名前欄が”00”の場合、必ず名前無しである

  
記事によれば、「手書きの記録を順次コンピューターに入力した」とある。つまり人が入力しており、必ず間違いが発生する。
例えば全角で入力してたらどうするか、前後に空白が入ってるかも知れない、改行コードが入ってるかも知れない、名前の前に誤って”00”を入れてたらどうするか。そこらへんを全て考えて集計しなくてはならない。
そして、全て考え尽くしたことを証明しなくてはならない。
 
上記の証明は悪魔の証明であるため、本来不可能である。しかし、不可能を求めるのが日本のビジネスである。
「520万件以上あります」ではダメなのである(注)。
「5,242,458件あります。5,242,457件でも5,242,459件でも無く、5,242,458件です」という答えを求められるのである。
 
2.不備を指摘した協議資料
 
不備を指摘したプロジェクトは、既に物を納入し、完結している。そんなプロジェクト資料を未だに持っているとなれば、セキュリティ上問題視される可能性がある。通常は何年か後に廃棄することになる。
 
そもそも、不備を指摘したのは1980年代らしい。約20年前である。
20年も前の資料を何処に取っておけと言うのか?
temaのプロジェクトでは、1年にダンボール箱で50箱程度の資料が出る。20年経てば1,000箱である。
セキュリティの都合上、余所に持ち出すわけにはいかない。東京中を資料の山にする覚悟があるのだろうか?
 

シックスシグマ

シックスシグマ

 
注)
大概の人は、これで良いと言うだろう。目的としても、大体の数字があれば良いはずだ。
但し計算機ビジネスにおいては、「だろう」「はずだ」が許されないのだ。
全ての関係者から念書を取る、というなら別であるが…