推理小説

 沈黙(遠藤周作)

temaにとって文章は、情報伝達のための道具である。このため、情報伝達効率を高くするよう−−誤解を少なくするように*1、理解しやすいように−−こころがけている。しかし、情報伝達効率を優先した場合、言葉としての美しさは損なわれがちになる。 例えば句読点…

 ダ・ヴィンチ・コード(ダン・ブラウン)

temaはへそ曲がりなため、話題になってる本はあまり読まない。ダ・ヴィンチ・コードも話題にならなくなったら図書館で借りよう、と思っていた。 しかしこの本、あまりにも話題になりすぎた。 あっちこっちでネタバレが乱発されている。ネタバレするのは好き…

 容疑者χの献身(東野圭吾)

東野圭吾は時々意地悪である。だがどうもその意地の悪さが受けているフシがある。 以下ネタバレ注意!

 鉤爪の収穫(エリック・ガルシア)

この年にして、ハードボイルドが好きであることに気が付かされた。一人称にも関わらず感情表現が少ない文体は、かえって主人公の押さえつけた感情を想像させ、心に突き刺さる。 temaが初めて読んだハードボイルドは、「死に急ぐ奴らの街」(火浦功)だった。 …

依存(西澤保彦)

「依存」を再読 tema的には「ボアン先輩シリーズ」の、いや西澤保彦の最高傑作。 主役はタカチ&タックである。語り部はウサコである。しかし読了後、一番心に残るのはボアン先輩の格好良さである。この小説は「ボアン先輩を如何に格好良く書くか」という点…