S.F.小説

義勇軍、出撃!

銀河乞食軍団 今は亡き、野田「宇宙軍大元帥」昌宏の代表シリーズである。 いつの間にか続編が出なくなり、遂に未完で終わることが決定してしまったシリーズである。いや、あった。 このたび、作者を変えてリメイクされることになった。 読んでみると、ノダ…

 スカイ・クロラ(森博嗣)

森博嗣原作のこの小説が、押井守監督で映画化されるらしい。 正直、この2人の相性は悪いと思う。 森博嗣の小説は映画に向かない。普通に読んでいてはセリフが繋がらないのだ。たった一行のセリフの裏に、何行もの論理的ステップが隠されているからだ。 セリ…

 ルミナス(グレッグ・イーガン)

「数学は自然科学だ!の会」会長、イーガンの最新作である。裏に書かれた解説によれば、「数学S.F.の極北」らしい。 tema的に「数学S.F.の極北」は、「宇宙船オロモロフ号の冒険」であった。 しかし、「ルミナス」を一読して思う。数学S.F.には北が複数在る…

 チャリオンの影(ロイス・マクマスター・ビジョルド)

創元がヤバイ。 もう不渡りを出してしまうんじゃないか、と思う程ヤバイ。 そもそも、本書を出版するくらいなら、なぜヴォルコシガン・サガの続編を出さないのか。とっくに翻訳は終わっているハズだ。 −それは、出版する余裕が無いからです− 余裕が無いのに…

 「官庁ヒッチハイクガイド」(国税庁)

「銀河ヒッチハイクガイド」という英国のスラップスティックS.F.がある。 その冒頭は、こんな感じ(記憶モード)。 以後、ネタバレ注意

 ニューロマンサー(ウィリアム・ギブスン)

1980年代、S.F.界にサイバーパンクというムーブメントが発生した。爆発した、と言っても良い。 2000年代、temaの職場でサーバーパンクという事件が発生したのだが、それとは関係無い。 サイバーパンク・ムーブメントの引き金を引いた小説にしてバイブル、と…

 メモリー(ロイス・マクマスター・ビジョルド)

土曜日から体調が悪く、ほとんど外には出かけてない。 しかし、本日だけは出かけなくてはならない。 なぜなら、今日は「メモリー」の発売予定日だからだ。 ロイス・マクマスター・ビジョルドは、ヒューゴー賞を5回取っている。 ありえない。ハインラインで…

 ジャンパー(スティーブン・グールド)

最近ちと疲れ気味のため、元気の出る小説を読みたくなり、再読。 かのグールドが断続平衡説を下敷きに書いたS.F.である。 以後、ネタばれ注意!

 博士の愛した数式(小川洋子)

ラブ・ストーリィである。ちなみに「ラブ」は愛を意味し、「ラヴ」が恋を意味する*1。 正直に言えば、友愛の物語である。「私」と「ルート」が、普通なら関わらないと思われる「博士」と、友情を育む物語である。 博士はオタクであり、引きこもりであり、脳…

 ボロゴーヴはミクシィ

でたらめな詩というものが、この世には存在する。 日本で有名なものは、これである。 みじかびの きゃっぷばびとればすぎちょびれ すぎかきすらの はっぱふみふみ 解るね 解るかーっ!作者は大橋巨泉である。パイロット万年筆のCMであった、と聞くとなにや…

太陽レンズの彼方へ(チャールズ・シェルフィード)

マッカンドルー航宙記の続編である。なお、前作が未読の人は本書の後ろの解説を読んではならない。まず、前作1作目を読むことをお薦めする。そこに1つジョークが仕掛けてあるためだ。 この小説はハードS.F.である。それも非常に魅力的なハードS.F.である。…

スター・ウォーズエピソード3シスの復讐(マシュー・ストーヴァー)

映画のノベライズ版である。多くのノベライズ版は、映画のストーリを追うだけで映画の方が面白いものだが、これはなかなかの出来。 欲を言えば、もう一押しして欲しかった。後一押し、でもその一押しをするとStar Warsでは無くなってしまうのだけれど... …

ヒューマン−人類−(ロバート・J・ソウヤー)

「ホニミッド−原人−」の続編である。ソウヤーの小説は、推理とS.F.とを兼ね備えた作品が多いが、このシリーズは(今のところ)S.F.のみ。色々ネタはあるものの、推理により詰めていくわけでは無く、問答無用の証拠や超能力で解決してしまう。なまじ、ストーリ…